ペットの葬儀までにドライアイスは必要?必要な量や入手先もご紹介
2023/04/07
「ペットの葬儀までにドライアイスは必要?」
「そもそもドライアイスはどこで買えるの?」
突然ペットを亡くされたあなたは、こんな疑問を抱えていませんか?
この記事では、ペットの安置にドライアイスを使う方が良い理由を説明したうえで、自宅でペットを安置する方法からドライアイスの必要量や入手先についてもご紹介します。
火葬まで、愛するペットの体をきれいに保ちたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
ドライアイスを使った方が良い2つの理由
ペットが亡くなった際、「腐敗させないために、葬儀まで冷やしておく必要があることは知っているけれど、家にある保冷材ではだめなの?」と思う方も多いことでしょう。
たしかに、保冷材でもご遺体を冷やすことはできますが、ドライアイスの方がより優れた点が2つあります。
1. 冷却力が高い
保冷剤は高い冷却力を持つものでも表面温度が-19℃程度ですが、ドライアイスは-79℃と非常に低温です。よりきれいな状態でご遺体を安置するには、ご遺体をより低温な状態に保つ必要があるため、およそ4倍の冷却力があるドライアイスの方がおすすめなのです。
2. 液体にならない
保冷剤は溶けると、結露ができます。その結露の水分がご遺体についてしまうと、腐敗の原因になる場合もあるのです。同じ理由で、氷を袋に入れたものもおすすめできません。
一方、ドライアイスは、液体ではなく気体になります。さらに、ドライアイスの気体は無色・無臭であることから、ご遺体に悪い影響を及ぼさないので安心です。
一時的に保冷剤を使うのは問題ありませんが、特に長期間ペットを安置する場合はドライアイスを使いましょう。
ご遺体を安置する方法
ここまでを読んで「ドライアイスが必要なのは分かったけれど、そもそも葬儀までに何をしたら良いか分からない」という方もいるのではないでしょうか。
そこでこの章では、悔いなくお別れできるように、ペットを自宅で安置する方法についてご紹介します。
1.必要なものを準備
自宅でペットのご遺体を安置する際は、以下の7つを準備してください。
・ご遺体を安置できる棺(段ボールや箱)
・タオル
・ガーゼや脱脂綿
・ブラシ
・ペットシートや新聞紙
・ドライアイス(保冷剤)
・納棺したいもの(お気に入りだったおやつやおもちゃ、花など)
飼い主さまが用意した棺(箱)とペットを、一緒に火葬してもらえることはほとんどありません。しかし、人間と同じようにご遺体を安置できますし、葬儀場まで持ち運びしやすくなるため、ご遺体は棺(箱)に入れることをおすすめします。
2.手足を曲げる
ご遺体の死後硬直は、意外と早く2~3時間ほどで始まります。手足が伸びたままの状態だと棺(箱)に納めるのが難しくなるため、体が固まる前に手足を胸の方に曲げて、普段丸くなって寝ているような姿勢にしてあげてください。
その際、口や目が開いている場合は、閉じてあげましょう。
3.ご遺体を安置する部屋の温度を下げる
いくらドライアイスの冷却力が高いといっても、室温が高ければ効果が半減してしまいます。夏は冷房を使い、逆に冬は暖房器具を使わないようにして部屋の温度を低温に保ちましょう。
4.ご遺体をきれいにする
毛並みが乱れていればブラシで整え、体が汚れていれば固くしぼったタオルで優しく拭いてあげてください。
また、ご遺体の口や肛門から体液が出てくる場合もあります。その都度拭くか、脱脂綿をつめると良いでしょう。
5.納棺
まず、ご遺体から出た水分を吸収できるよう、棺の底にペットシートや新聞紙を敷きます。重ねてタオルを敷き、その上にご遺体を寝かせましょう。ドライアイスは、腐敗しやすいお腹を重点的に頭やお尻、背中にも置いてください。
保冷剤を使う場合も、ドライアイスと同じ場所に置きます。ただし、保冷材の場合は冷却力をカバーするため、ペットシートや新聞紙を敷いた棺の底面にも保冷剤を敷き詰めると良いでしょう。
6.お別れ
納棺まで終われば、飼い主さまが葬儀までにやるべきことはひとまず完了です。火葬されるまで、愛する家族と大切な時間をお過ごしください。
ペットが好きだったおやつやおもちゃ、お花なども入れてあげると喜んでくれるかもしれません。
ちなみに、ペットの遺体安置専用のボックスやプロによるご遺体の処置を行うサービスを提供している葬儀会社もあります。ご遺体の安置に不安がある方は、依頼しても良いでしょう。
ドライアイス必要量と安置できる期間の目安
ご遺体の安置において1日に必要なドライアイスの量は、以下の通りです。
・猫や小型犬:3~5kg
・中型犬:5~7kg
・大型犬:7~10kg
また、ドライアイスを使って十分に処置をした場合、ご遺体を安置できる期間は以下の通りです。
・夏場:1~2日
・冬場:2~3日
ただし、上記で示した必要なドライアイスの量と安置できる期間は、あくまでも目安です。参考程度にしてください。
また、ドライアイスが多いと、冷え過ぎて凍ってしまうこともあります。定期的に様子を見てあげてください。
ドライアイスを購入できる場所
日常的に使っている人が少ないドライアイス。スーパーやコンビニで見かけないドライアイスは、どこで購入できるのでしょうか。
この章では、ドライアイスを購入できる場所を3つ紹介します。
ネット通販
ドライアイスは、Amazonや楽天市場といったネット通販で購入できます。
ネット通販を利用するメリットは、当日発送や日時指定ができることです。逆にデメリットは、自宅に届くまでに時間がかかるため、自宅に届いたときにはドライアイスの量が減っているケースがあるということです。
ドライアイスメーカー
ドライアイスを製造している企業からも購入できます。近所にある場合は、直接買いに行けますし、用途に合わせてドライアイスの量を調節してもらえるでしょう。
なかには、ペットの棺とドライアイスをセット販売している企業もあります。
氷屋
氷を販売している氷屋でもドライアイスを購入できます。「住んでいる地域名 氷屋」で検索してみましょう。
ただし、ドライアイスを販売していない氷屋もあるので事前に確認してください。
ドライアイスの価格相場
ドライアイスの相場は、1kgあたり500円~800円です。基本的にドライアイスの量が多いほど、1kgあたりの価格は安くなります。
なかには、ペレットタイプのドライアイスも販売されていますが、冷却効果を長持ちさせるためにも、ある程度塊で購入しましょう。
ドライアイスを利用するときの5つの注意点
ドライアイスを利用する際は、5つの注意点があります。
1. 新聞紙やタオルで包む
ドライアイスを使うときは、必ず新聞紙やタオルで包んでください。ご遺体に直接ドライアイスが触れてしまうと、抜け毛や変色の原因にもなります。
ドライアイスの効果を長持ちさせることにもつながるため、必ず新聞紙やタオルで包みましょう。
2. 素手で触らない
超低温のドライアイスを素手で触ると、ドライアイスに皮膚がくっついて凍傷を負う危険があります。ドライアイスを扱う際は、必ず乾いた軍手を利用してください。
3. 換気する
ドライアイスとは、二酸化炭素を固体にしたものです。つまり、ドライアイスが気化すると二酸化炭素が発生します。
室内に二酸化炭素が充満すると、酸欠になる可能性もあるため、換気が必要です。車でドライアイスを運ぶ際も、窓を開けるようにしてください。
4. 密閉しない
密閉容器の中にドライアイスを入れておくと爆発するリスクがあります。なぜなら、ドライアイスが気体になると体積が急激に増えるという特徴があるからです。
外気に触れさせない方がよりドライアイスを長持ちさせられますが、空気の逃げ場は作っておきましょう。
5. まとめて買わない
3日自宅に安置する予定があるからといって、3日分のドライアイスをまとめて買ってはいけません。
ドライアイスが-79℃なのに対して、家庭用の冷凍庫は-20℃程度です。そのため、ドライアイスを自宅の冷凍庫で保存するのは難しく、せっかく買ったドライアイスが使うときには小さくなっているといった事態にもなりかねません。
ドライアイスは、1日分ずつ購入することをおすすめします。
まとめ
この記事では、ペットの安置にドライアイスを使う方が良い理由を説明したうえで、自宅でペットを安置する方法から、ドライアイスの必要量や入手先についても紹介しました。
ペットのご遺体をきれいな状態で保つには、保冷材よりドライアイスがおすすめです。
扱いには十分に注意しつつ、この記事を参考に、悔いなくお別れしていただければ幸いです。